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株式会社マイズ
ユニークなパンブランドを支えるパッケージデザイン 健康美食パン「もちふわタイガー」
朝食やランチ、おやつ、手土産など、すっかり日常食としての地位が築かれた「パン」ですが、そのニーズやブームは日々変化しています。例えば、健康志向の高まりによるパン選びの変化もそのひとつ。これからの時代、「もっと美容と健康に寄り添ったパンが必要」という想いから開発されたのが、2022年に誕生した健康美食パン「もちふわタイガー」です。
そこで今回は、商品の企画・開発を行なったパレットの高橋さん、商品パッケージを担当したマイズの松永さんにお話を伺いました。
\ 今回の対談メンバーはこちらの皆さん /
- 左:商品開発/高橋寛さん(有限会社パレット 代表取締役)
- 右:パッケージデザイン/松永政治さん(株式会社マイズ 代表取締役社長)
パン職人とパッケージ職人の出会い
−まずは、それぞれの会社について紹介をお願いします。
高橋:「パレット」は、1986年に宮城県栗原市で創業した、パンとお菓子を中心に製造・販売している洋菓子店です。素材が持つ本来の美味しさを活かした商品を提供することで、お客さまの心と身体が喜ぶものづくりを意識しています。
また、自家製法にもこだわりを持っています。食材の良さを活かしきるための技術や設備に力を入れることで、パレットでしか味わえない美味しさの提供を心がけています。
松永:発泡スチロールやダンボールを中心とした包装資材の企画・販売を行なっています。食品用の包装資材から、物流用の包装資材まで、幅広く取り扱っています。
また、パッケージデザイン提案も主要事業の1つです。お客さまの持つ課題やアイデアについて、一緒に考えて、一緒につくりあげる、オーダーメイドの包装をご提案しています。
−おふたりは、もともと面識があったんですか?
松永:はい。以前から経営者の集う会で面識があり、情報交換をする間柄でした。パレットさんは、いつも面白い企画をされている印象が強いです。
−今回、タッグを組むきっかけとなった「もちふわタイガー」について、紹介をお願いします。
高橋:昨今の健康・美容志向の高まりを受けて、健康なカラダづくりに貢献できる商品を開発したいと思っていました。リサーチを進めるなかで、⽇本⼈の多くが「タンパク質」を⼗分に摂取できていないことを知りました。そこで、「美味しさと⼿軽さを兼ね備えたタンパク質を多く含むパンをつくろう」と決意したんです。
何度も試作を重ねるなかで、タンパク質が多く含まれていても柔らかく焼き上がる独自製法を編み出しました。また、焼き上がり熱々の状態で急速冷凍することで、乾燥や風味ダウンを防ぎます。冷凍パンだと約1ヶ月程度日持ちしますし、解凍するだけで⾷べられる手軽さも、魅力の1つです。
さらに、タンパク質を多く含むパン生地は、トラのような“しま模様”に焼き上がります。そこで、2022年(寅年)に誕生した、もちもちふわふわ食感を味えるパンということで、「もちふわタイガー」と命名しました。「もちもち」を表した「mocchi」、「ふわふわ」を表した「fuwa」、2匹のオリジナルキャラクターが、みなさんの食卓と健康に寄り添います。
左:プレーンタイプ(山型・スライス) 中央:テーブルパンタイプ(小) 右:キャラメルタイプ(角型・スライスなし)
パンブランドとパッケージデザインの融合
−松永さんは、どんなことを意識してパッケージデザインを手がけられたんですか?
松永:商品の世界観を守るパッケージを作らなければと思いました。「もちふわタイガー」ならではのデザインコンセプトを、どう打ち出していくのかを考えるところからのスタートでした。
−パッケージのこだわりについて、もっと詳しく聞かせてください。
松永:手提げ袋の特徴は、表面はシンプルでありながら、マチの部分におしゃれな柄をいれたところです。取手部分の色はブランドカラーになっているので、袋ひとつとっても「もちふわタイガー」の世界観が伝わるように意識しました。
松永:中身を取り出した後、再利用したくなる可愛らしさも魅力ですね。お菓子やお弁当箱入れとしても使えますし、ちょっとしたお出かけの際のサブバックとしても十分使えます。
高橋:これが仕上がったときは嬉しかったですね。「気持ちを汲んでくれた!さすがマイズさん!」と思いました。ダンボール箱もおしゃれですよね。
松永:ダンボール箱の色合いに映える白いインクで、商品名やオリジナルキャラクターの「mocchi」「fuwa」を印刷しています。ダンボール素材に白インクを使うのって、実は技術的に難しいんです。綺麗な発色になるよう何度も刷り直して、ベストな映え方を見つけていきました。
また、「もちふわタイガー」は「食パン型」と「テーブルパン型」があるのですが、これらがぴったりハマるサイズになるよう、手提げ袋も、ダンボール箱も、完全オーダーメイドで設計しています。
−パッケージ制作において、直面した課題はありましたか?
松永:パンを直接包んでいる、包装フィルムをつくるのが難しかったです。パンの焼き上がりには個体差があり、ミリ単位の正確なサイズが存在しないので、焼き上がったパンを入れてみては改良して、また入れてみては改良しての繰り返しでした。
あとは、冷凍パンということで、耐水性や耐寒性にも優れている必要がありました。機能性とデザイン性が両立する材質選定も、こだわったポイントです。
−実際、周りのスタッフやお客さまからの反響はいかがでしたか?
高橋:「可愛い!今までにない!」と多方面から好評です。キャラクターをデザインの中心に据えた展開も初めてだったので、みんな興味深く受け止めていますね。
横浜のパンフェスに出店した際も大好評でした。キャラクターグッズがないのか聞いてくれるお客さまもいて嬉しかったです。こうした生の声を反映しながら、どんどん面白いブランドにしていきたいです。
ひとつでも多く、ひとりでも多くに届けたい
−それでは最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。
松永:パッケージを開封するにつれて拡がる「もちふわタイガー」の世界観は、実際手に取ってみて初めて分かると思います。美味しいだけじゃない、食べる前からワクワクする「もちふわタイガー」を、ひとりでも多くの方々に体感してほしいです。
高橋:今後「もちふわタイガー」が、一般家庭はもちろん、オフィスや部活動など、人がたくさん集まる場面での定番になれば嬉しいです。ECサイトからも簡単に購入できますし、販売先も随時募集しております。是非、気軽にお問い合わせください!
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プロ意識の融合によって完成した「もちふわタイガー」。これから、このユニークなパンブランドがどんな展開をみせていくのか、それぞれの企業がどんな新しい挑戦をしていくのか楽しみです。みなさんも、こだわりが詰まった「もちふわタイガー」を是非味わってみてくださいね。